診療内容について

タイミング法

タイミング法とは、排卵日を予測して性交渉のタイミングを指導する方法です。 経腟超音波やホルモン検査によって排卵日を予測します。
生理周期の短い方は生理開始日より9〜11日目、生理周期の長い方は12〜14日目の診察をお勧めします。 無排卵、排卵の極端に遅い方(20日以上)には排卵誘発剤の薬や注射を行う場合があります。

人工授精(AIH)

タイミング法と同様に排卵日を予測します。
当日、ご自宅で採取した精液をご持参頂くか、院内にある採精室をご利用頂きます。提出された精液は精子自動分析機により精液量、精子濃度、運動率、直進スピード、 直進精子比率を測定した後、人工授精専用の洗浄液を用いて運動良好精子を抽出・濃縮し、専用のカテーテルで子宮内に注入します。
人工授精にはほとんど痛みがなく、その後の経過も自然妊娠と同様ですので、身体への負担が少ない治療と言えます。一回あたりの成功率は8〜12%です。

体外受精

体外受精とは、採卵により卵子を体外に取り出し、精子を振り掛け(媒精)、または精子の少ない方や卵子の周りの透明帯の厚い方は顕微鏡受精(ICSI)にて受精させてから子宮内に戻す方法です。 通常、生理2~3日目のホルモン基礎値検査、 超音波検査で前周期の古い卵胞が残っていないか確認してからスタートとなります。
その後卵巣刺激(排卵誘発剤、注射)を行い、生理開始8~10日目に育った卵胞の数や大きさを超音波検査でチェックします。 数や大きさが適度であればホルモン検査を行い、採卵日を決定します。 当院の採卵は基本的に麻酔下で行っておりますので、お痛みを感じず施行する事が出来ます。尚、ご希望の方には坐薬等の痛み止めを使用し、麻酔を使わずに施行する事も可能です。

胚移植

胚移植は、受精後2~6日目に受精した卵子(初期胚~胚盤胞)を子宮に戻します。

導入機器

当院では受精卵の培養、観察はアステック社製の次世代型タイムラプスインキュベーターを使用しています。 この培養器は前核の自動検出ソフトを搭載し、受精卵を培養器から取り出すことなく胚盤胞までの発育を撮影、記録します。 移植後は黄体ホルモンの検査を行い、ホルモンが不足している場合には黄体補充療法(薬の内服、注射、膣錠等)を行います。 採卵から14~16日後にご妊娠の判定を行います。

受精卵の凍結について

移植した胚以外に良好な受精卵が得られれば、その余剰胚は凍結する事が可能です。 また、子宮内膜が整っていない場合には全ての良好胚を凍結させて頂く場合がございます。当院ではガラス化凍結法により凍結を行っております。

※体外受精関連操作※

①AH(アシステッドハッチング):レーザーを用いて透明帯を薄くする事により着床率を上げる操作です。

②SEET法:採卵後2~3日目に子宮内膜を刺激し、着床率を上げる為に、特別な専用液を子宮内に注入します。その後5~6日目に胚盤胞まで育った受精卵を移植します。

③2段階移植:採卵後2~3日目に初期胚を1個、5~6日目に胚盤胞を1個移植する方法です。

体外受精スケジュール